日々、若者文化や社会問題を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が今、注目するのは高層住宅の未来についてだ。

 日本の住宅市場を牽引してきた高層タワーマンション、いわゆる「タワマン」の未来に今、大きな影が差しています。利便性の高さや資産価値から全国的に人気を集め、棟数も増加してきましたが、築年数の経過に伴う老朽化と所有者の高齢化が原因で、将来的な「タワマンの廃墟化」が深刻な問題として浮上してきました。

 こうしたなか、神戸市では将来的なリスクを防ぐため、居住実態のない空き部屋を対象とした市独自の「空室税」の導入検討を始めています。この動きは、日本全体の人口減少や空き家問題とも連動し、将来的に全国規模へ波及する現実味を帯びているようです。

 タワマンの維持管理において最大の壁となるのが、特有の構造による修繕費の高騰。特殊なゴンドラ足場の設置や免震装置のメンテナンスには、一般的なマンションを遥かに凌ぐ資金が必要となります。分譲初期に積立金を低く抑える物件が多く、将来的な増額改定が必須であるにもかかわらず、投資目的の外国人オーナー、セカンドハウス利用の非居住者、実住の高齢者など住民の属性がバラバラで、必要な議決権を集める合意形成は困難を極めるようです。実際に神戸市の調査によると、40階以上の高層階では住民登録のない部屋が3割を超え、所有者の2割以上が市外在住という実態も判明。投資家が修繕積立金の支払いに応じないケースも懸念され、大規模修繕が行われないまま資産価値が急落するリスクが指摘されています。