■女子が生まれたら赤飯を炊け!?

 阿炎の奥さんは一般の人だが、オレらの時代は親方の娘さんとか、親方の親戚のお嬢さんなどと結婚するケースが多かった。

 昔から、相撲部屋では、「女の子が生まれたら、赤飯を炊け」と言われているのは、娘が年頃になったとき、部屋の有望力士と結婚したほうが、部屋の存続のためにスムーズだからだ。親方の息子2人が横綱になった、若貴などは稀も稀。息子が力士として大成するのは、それほど難しいのだ。

 かく言うオレも、26歳のとき、大鵬親方の三女と結婚した。

 同世代だと、旭豊(現・立浪親方)が師匠の長女と、琴ノ若(現・佐渡ヶ嶽親方)も師匠の長女と結婚。今の追手風親方(大翔山)は、立浪部屋の部屋付き親方の娘さんと結婚して、追手風部屋を興した。

 今もそうだが、当時も年寄株が2億円はしていた時代だった。親方の婿養子になれば、将来、年寄株が自分のものになる……。

 でも、そうした打算ばかりでは、結婚生活はうまくいかないものだ。この話は、また次回!

貴闘力忠茂(たかとうりき・ただしげ)
1967年9月28日、兵庫県生まれ。二子山部屋(入門時は藤島部屋)入門後、83年に初土俵。最高位は東関脇。2000年に幕尻(前頭14枚目)で初優勝する。02年に引退し、大鵬部屋の部屋付き親方となるが10年に野球賭博関与のため日本相撲協会を解雇される。現在は焼肉店『ドラゴ』を経営。