■シリーズ化に向いている『クロスロード』

 X上では、《とても面白かった! 正義感あふれる若手救急医を主人公とした救命ものの王道を踏みながら、救命士、警官という3者の視点から事件を描くことで新規性が生まれ、さらに職域の異なる3人の若者による青春劇としての感動もあり、思わずのめり込む1時間だった》などと、多くの称賛の声が。

 一方で、《非番の医者が救命受け入れ、警察官が医者と救急隊員に捜査情報漏らし、 銃持って乗り込んで関係ない人撃つとか…主人公は未熟で正義感だけは一丁前。色々ツッコミどころ多いなこれ》《救急隊員がオペ終わるまで引き揚げずに待ち続けるなんてあり得ない》など、細部に対してツッコミの声も少なくなかった。

 医療、救急、警察のリアリティを求める視聴者からの批判はごもっともだが、3人の成長物語を絡めた医療ドラマとして見るなら、それぞれキャラが立っているし、上出来な初回だったと言えるだろう。そもそも、エンタメ優先のテレ朝ドラマに、そこまでツッコむ必要はあるのか? という気もする。

 それより注目したいのは、メインキャラを同期の医師3人という、医療ドラマでよくあるパターンにせず、医師、救急、警察という3人の若者に設定したところ。それぞれの立場から救急医療を描けるうえ、事件も絡められるので、ストーリーの幅が一気に広がる。シリーズ化しても色々なパターンで話を作れるはずだ。

 今田美桜、寛一郎、泉澤祐希と、上り調子の俳優の3人による、「《本格医療ドラマ》と《青春群像劇》が融合した、胸を揺さぶる物語」を描くという本作。初回を見て感じたのは、ポスト『ドクターX 』(同局系)を本気で狙っているのかもしれないということ。ちょっと詰め込みすぎな感があったが手術シーンは力が入っていたし、物語のパターンが確立されれば、ヒットシリーズに十分なれるだろう。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。