■第1位は、タワマン購入“勝ち組”が震え始めた「住宅ローン破綻」

1位 タワマン購入“勝ち組”が震え始めた政策金利上昇「住宅ローン破綻」 高層階ほど青ざめる阿鼻叫喚の近未来

 夢のマイホームが、ある日突然、借金地獄の入り口に。そんな悪夢が、“勝ち組”を襲おうとしている。

「近年、夫婦ともに高収入の“パワーカップル”が、1億円近いタワマンをローンで購入するケースも珍しくない。そんな購入組を直撃しているのが、住宅ローン金利の上昇です」(経済誌記者)

『オラガ総研株式会社』(東京都)代表で、不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏は、こう話す。

「住宅ローンは、大きく固定金利型と変動金利型に分かれ、変動金利型は日本銀行が決める政策金利の影響を受けます。ここ数年、新規でローンを組む人の8割が変動金利型を選択しているといわれ、政策金利が上がれば、多くの債務者が返済額の上昇に直面します」

 その政策金利が、今、動いている。

「6月16日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げることが決まりました。31年ぶりの高水準です」(全国紙経済部記者)

 マイナス金利の時代から、わずか2年あまりで1%程度に到達。変動金利を選んだ債務者には、あまりに大きい変化だ。では、どれほど家計を圧迫するのか。

「例えば、世帯年収1500万円のカップルが、約9433万円のローンを35年間、ボーナス払いなし、金利2%で組むと、月々の返済は約31万2480円です。もし金利が1%上がれば、月々の返済は約36万3029円となり、年間で60万円以上の負担増になります」(前出の牧野氏)

 月額にして5万円強。現在の日本で、それだけの所得増は困難だ。高層階であればあるほど価格が上がるタワマン。そんな“住宅ローン破綻予備軍”を苦しめる要素が、実はまだある。

「今、悲鳴が上がっているのが、管理費と修繕積立金です。人件費や資材費の高騰で建築費が2~3割上がっており、同じくらいの上昇幅が見込まれる。物価高による生活コストの上昇も加われば、二重・三重で家計を締め上げます」(前出の牧野知弘氏)

 ローン、管理費、物価高。三方から追い詰められ、返済に行き詰まれば、その先には、さらなる苦難が待つ。

「夫婦それぞれが住宅ローン契約を結び、1つの不動産を共同購入する“ペアローン”を組む人が多いんですが、離婚しても返済義務が残るし、物件を売却しても借金が残る“オーバーローン”に陥る可能性があります。すると、いつまでも争いごとが続く。これが、本当につらい」(前同)

 夢の住まいが、夫婦を縛りつける鎖になる。牧野氏は、こう締めくくった。

「都心部のマンション市場は、ここ数年、投資マネーで価格が押し上げられ、一般人の年収の十何倍もの金額を出さないと買えない状況になりました。パワーカップルはそこへ乗っかってしまったわけです。

 また、日銀が1.5〜2.0%ぐらいまで政策金利を上げるとの見方も。今後も、住宅ローン債務者には苦しい状況が続くと思います」

 タワマン勝ち組がローン地獄へ転落する日は、そう遠くないのかもしれない。

牧野知弘(まきの・ともひろ)
不動産事業プロデューサー。『オラガ総研株式会社』代表取締役。東京大学経済学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループ、三井不動産等を経て2009年『オフィス・牧野』を設立し、15年に『オラガ総研』を設立。不動産全般に関する取得・開発・運用・建替え・リニューアルなどのアドバイザリー業務を行う傍ら、講演活動を展開。著書に「新・空き家問題」(祥伝社新書)、「不動産の教室~富裕層の視点が身につく25問」(大和書房)ほか、30冊目となる最新刊に「50歳からの不動産~不動産屋と銀行に煽られないために」(中公新書ラクレ)がある。テレビ、新聞、YouTubeなどメディア出演多数。