現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。

 交流戦でセ・リーグがパ・リーグに大きく負け越した中にあって、10勝6敗2分と、唯一、勝ち星が先行したのが巨人でした。

 5月26日に阿部慎之助前監督が辞任。それに伴い急遽、橋上秀樹監督代行が指揮を執るようになりました。両監督の野球の違いを指摘する人もいますが、監督が交代したからといって、チームが劇的に変わることはありません。

 巨人はエース戸郷翔征が、交流戦の3週間前となる5月4日に一軍復帰。完璧な状態で戻ってきたこともあり、運も味方しましたね。現在の成績は阿部前監督が積み上げてきたものがあったからこそだと、思います。

 そんな巨人ですが、今年は、積極的に盗塁を仕掛けてくるようになりました。

 5月17日に東京ドームでDeNAを1対0で破った試合では、2年目の浦田俊輔が3盗塁。チームもゲームを通じて5盗塁を決めました。足を絡めて、もぎ取った1点は相手に与えるダメージも大きい。僅差の展開で盗塁を決めて接戦をものにすれば、順位表でも上にきます。

 巨人の昨年の盗塁数は12球団ワーストの53。6月29日時点で今季は、すでに49。昨季の数字に迫りつつあり、ヤクルトと1位を競っています。