相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。

 7月13日、大相撲名古屋場所の番付が発表された。

 注目すべきは、関脇に熱海富士、大関から陥落した安青錦、先場所優勝して大関を狙う若隆景、昨年の名古屋場所で初優勝した琴勝峰の4人が並んでいるところだろう。体型、相撲のタイプはおのおの違うものの、「実力者」たちだ。

 小結にはオレの三男・王鵬が返り咲き、これまた実力派の義ノ富士が新三役となったこともあって、三役陣の熾烈な戦いが楽しみだ。

 オレは、「大関に一番近い男」と言われている若隆景を特に注目していた。

 12勝以上して優勝に絡めば、大関昇進も夢ではない。

 だが、名古屋入りしてから、台風の影響で所属の荒汐部屋の土俵が使えなくなってしまい、若隆景、若元春らの関取衆は、大関・琴櫻のいる佐渡ヶ嶽部屋に出稽古に行った。慣れない土俵ということもあってか、太ももを痛めて、途中で稽古を切り上げてしまった。

 師匠の荒汐親方も、「(ケガは)長くなるかもしれない……」と危惧していたように、検査の結果、緊急手術を受けた。

 今も入院中とのことだけど、チャンスなのにもったいないよな。

 幕内力士としては、小さな体(183センチ、138キロ)ながら、いろんな技を組み合わせる玄人好みの相撲を取る、貴重な存在だ。ただ、2度目の優勝の前の場所も、上腕のケガで14日目から休場。以前からケガが多い力士だ。体を痛め過ぎているのかもしれない。