老若男女問わず、視聴者の目をひくNHK朝の連続テレビ小説。今から約1か月前の3月31日で放送が終了したのは、福原遥(24)主演『舞いあがれ!』だった。その前作『ちむどんどん』が脚本を中心に大酷評を受けたこともあり注目されていたのだが、数字面の結果としては2010年以降最低の平均視聴率15.6%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)と惨敗。

「王道の朝ドラな感じ」「見ていてホッとする」といった作品を楽しむ視聴者からの声も多数あったが、数字としては厳しい結果になってしまったようだ。

 そんな作品で主演を務めた福原だが、4月19日にはフォトブック『gift』(講談社)を出版。朝ドラヒロインとして過ごした1年間を詰め込んだ作品で、ドラマでもお馴染みだった五島列島でのショットも含まれている。

 同書のインタビューでも、五島列島の名産品で讃岐うどんや稲庭うどんに並ぶ「日本三大うどん」と名高い「五島うどん」との再会を喜ぶ姿など、素朴な一面ものぞかせている。

 そんな福原が主演した『舞いあがれ!』をテレビコラムニストの吉田潮さんはどう観たのか。

「ひと押し足りなかった、というのが率直な感想です。もともと、パイロットを夢見ていたわけじゃないですか。それが、最後は実家の工場の経営に乗り出すわけですから、あれれ? と疑問符が付きますよね。

 せっかくパイロットの試験に受かって夢を叶えたのだから、もっとそれを追いかけてほしかった。きゃしゃで可愛らしい岩倉舞(福原)が家族のためにと自己犠牲を払うのではなく、自分の才能を活かして活躍する姿が観たかったのに」

 と、なかなか辛口の評価となっている。

 福原は、前述のフォトブックでは、薄いブルーのワンピース姿でバックショットから美しい背中を披露。まさに、大人の女性としての階段を舞いあがっている感じだ。その彼女に、連ドラ主演女優として足りなかった「魅力」はなんなのかだろうか。それは、過去の朝ドラヒット作で描かれてきた主人公による“苦渋の決断”だと前出の吉田さんは言う。