■社会問題化した「ゾンビタバコ」

 その代表例として挙げられるのが、昨年5月に規制対象となった指定薬物「エトミデート」。使用者が意識を混濁させて身体を硬直させる異様な姿から、巷では「ゾンビタバコ」の通称で知られる薬物です。

 ゾンビタバコを巡っては、今年5月、元プロ野球選手に有罪判決が言い渡されるなど社会問題に。ニコパフ同様、電子タバコ用の器具を使って液体を加熱吸引する点で、両者の手法は酷似しています。

「非正規に流入した未承認の海外製品が、これほど容易に入手できる流通網の存在は極めて深刻です。スマホさえあれば個人間の売買ツールを使って、匿名性を維持したまま誰でも簡単に手に入れることができてしまう。味わいの親しみやすさや見た目の手軽さに惑わされがちですが、成分の安全性に関する保証は一切ありません。若者の間で違法取引の連鎖を生む温床にもなっており、今後は販売側の摘発を急ぐとともに、プラットフォーム側に対する徹底した出品監視の要請、指示、そして使用すること自体の危険性について低年齢層へ正しく周知していく具体的なアプローチが不可欠でしょう」(社会部記者)

 始まりは、ほんの軽い好奇心やファッション感覚。しかし、それが依存症という抜け出せない病へ繋がっているのだとしたら、その代償は軽視できません。若者たちの健康と未来を守るためにも、水面下で横行する違法販売の取締り、および実効性のある法規制の整備が求められるところです。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。