今年からトロがお値打ちで食べられるかも……! そんな淡い期待がお預けになりそうだ。
「一時は乱獲で頭数を減らしていたクロマグロですが、近年の資源状況の回復を踏まえ、7月14日に国際会議で太平洋クロマグロの資源管理を協議。日本は2027年以降、30キロ以上の大型魚の漁獲枠を25%拡大する案を提示していましたが、メキシコの反発で合意ならず。漁獲量の拡大には至りませんでした」(全国紙経済部記者)
高級魚のイメージが強いクロマグロだが、ここ数年の “豊漁”には目を見張るものがあるという。実際、北太平洋まぐろ類国際科学委員会は「親魚(成熟したクロマグロ)資源量は、2010年に 1.2 万トンまで減少した後、2022年は約14.4万トンと急激に回復している」と発表しているのだ。
ではなぜ、近年、急激に資源回復が発生しているのだろうか? 国立研究開発法人水産研究・教育機構の広報部に話を聞いた。
「1990年代から2010年頃にかけては、その味などの人気で乱獲が進み、産卵親魚量(成熟したクロマグロの総重量)が減少しました。その対策として2011年に30kg未満の小型魚を対象とした漁獲量の上限の設定、2015年からはさらに厳しい資源管理が導入されました。結果として資源量が回復基調となり、過去70年間で現在は最高水準に達していると考えています」
ちなみに、クロマグロは1900年代初頭から漁獲記録が残る長い漁業の歴史を持つものの、“高級魚”になったのはごく最近の話。江戸時代には“下魚”として不人気な魚種だった。
「時代が移り変わるにつれ、冷蔵・冷凍技術をはじめとする保存・流通技術の発達、調理技術の向上、さらには脂ののった魚が好まれる食文化の変化など、さまざまな要因があって、現在のような人気魚になったのではないでしょうか」(前同)
そんなクロマグロの豊漁は日本だけではなく、太平洋全体的に頭数を増やしている可能性が高いという。
「クロマグロを漁獲する多くの国や地域において、漁獲量が上限近くまで利用されていると認識しています。また、資源量は国際条約に基づく国際管理機関によって、高い資源水準を維持することを前提とした管理方策が検討されています。現状の豊漁は一時的なものではなく、中長期的に維持されることが期待されています」(同)