■“ジャニーズがキンプリをコントロールできない”と言われていた

 思えば、キンプリの楽曲はメンバーの意見が取り入れられたものが多かった。

「たとえば2020年発売の2ndアルバム『L&』は各メンバーがプロデュースした楽曲が収録されていましたね。

 また、王道のアイドル像から脱却してHIPHOPの要素を多く取り入れたのも、“自分たちの色とか味を濃くしたい”という理由だったと、高橋さんが2022年11月に『週刊朝日』(朝日新聞社)でコメントしていました。

 しかし、それだけに2年くらい前から業界内では“ジャニーズ事務所がキンプリをコントロールできない”という話が漏れ出てきていたんです。当時は、グループ内に確執があるのかとも思われていましたが、実際はそうではなかった。メンバー間の関係性は良好だったけれど、5人の意向、セルフプロデュースが強すぎて、事務所の理想とする“売り方”との調整がつかなかったのではと、今となっては考えられます。

 実際、平野さんたちが退所するに至った経緯の1つとして、“海外進出がいつまでも果たせそうにない”ということがありましたからね」(前出のワイドショー関係者)

 他方で、ジャニーズ事務所はTravisJapanを2022年3月下旬からロサンゼルスに無期限の“武者修行”をさせ、向こうで箔をつけてからデビューさせる、という“売り方”を進めていた。

「事務所としては、バランス面も考えて、2グループを1度に海外留学させるわけにはいかないでしょう。特に、キンプリはすでに国内ではスターグループだし、経験面などを考えてもトラジャを上回っている部分は多かった。下手にキンプリをアメリカに出したら、トラジャとの被りや共食いが生じてしまう。それだけに、事務所がキンプリの海外進出について動かなかったのは、苦渋の決断だったと考えられます。

 もちろん、それとは別に、5人それぞれが個人でも売れ出して、スケジュールの調整がつかなくなった、というのも大きそうですが……。

 個々の活躍を考えても、やはりキンプリは特別だったです。そして、事務所の方針にも縛られず、すべてを自分たちの意思で動こうとしていたグループだけに、“5人グループ”としては、5年という時間で終わってしまったのかもしれませんね……」(前同)

 王道を突き進んでいるようで、どこまでも規格外だったキンプリ。彼らの5年間は、どんなグループよりも濃いものだったのだろう――。