現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。
野球教室などで子供たちを指導するときに、「今のタイガースで誰が好きですか」と聞いてみることがあります。一番多いのが森下翔太。次がテル(佐藤輝明)でしょうか。
この人気を証明したのが、オールスターゲームのファン投票です。去年、今年と森下は両リーグ最多得票で選出。2年連続の全体1位は、球団史上初だとか。
森下が人気の理由は、大事な場面で打っているからだと思います。1年目は規定打席にも足りていないし、10本塁打、41打点と、彼のポテンシャルからしたら平凡な成績でした。
ところが、「先制」「同点」「逆転」など、肩書のつく殊勲打はリーグ12位の16本。つまり数字以上にファンの記憶に残る選手なんです。
無類の勝負強さはオリックスとの日本シリーズでも発揮されました。7試合すべてに3番で出場し、新人としては最多記録となる7打点! あの長嶋茂雄さんでさえ5打点でしたから、森下の凄さがよく分かります。
国際大会にも強いですね。2024年の「プレミア12」では全試合、日本代表の4番に座り、開幕から4試合連続打点。今年3月に開催されたWBCでも、準々決勝のベネズエラ戦で、3ランホームランを放ちました。