日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。8月2日のクイーンステークスではエリカエクスプレスに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。

(以下の内容は2026年7月27日に寄稿されたものです)

 7月12日、父・邦彦の故郷である函館で、JRA、地方、海外を含めた通算勝利数、5000勝を達成することができました。

 7月11日のHTB杯をアスクケンタッキーで勝利し、マジック1となったあと、2着が3回。花束と「武豊5000勝」と書かれたうちわを用意してくださっていた周りの方たちをヤキモキさせましたが、これでひと区切りです。

 勝ち馬ヒミノエトワールの佐々木八郎オーナーは、僕が新人の頃から乗せていただいている恩人ですし、宮地貴稔調教師は、武邦彦厩舎で持ち乗りをされていた頃からの付き合いで、馬が結んでくれた縁に、改めて感謝したいと思います。

 スタンドで記録達成の瞬間を見届けてくださったファンの皆さんに、さらに喜んでもらいたいと臨んだ9Rのパートナーは、ロックバンド『GLAY』のボーカル、TERUさんが名付け親のテルヒコウでした。

 当日は、TERUさんがパドックまで足を運んでくださり、“勝って、一緒に記念撮影ができたら、函館の競馬ファンが喜んでくれるだろうな”と思っていたのですが……結果は惜しくも2着。

 函館競馬最終となった7月18日は、1R2歳未勝利をサトノクラウン産駒のロジクラウンで快勝。翌19日は、3歳以上2勝クラスの10R駒場特別をキズナ産駒のシーズザスローンで完勝。この2つを加え、通算勝利数は5002勝。JRA勝利数は、4671勝となりました。

 地元出身の丹内祐次騎手が、自身初の函館リーディングを獲得するなど、今年も盛り上がった函館競馬。デビュー5年目の鷲頭虎太騎手が、地元函館の最終日、7月19日の騎乗を最後に、ムチを置くことを決断。引退式では、騎手仲間に胴上げされ新しい道に進むことになりました。