韓国・釜山で開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で7月23日、「佐渡島の金山」の保全状況に関する審査が行われ、採掘が行われたすべての時期を通じた歴史の説明を強化するよう求める決議を採択した。同地をめぐっては、戦時中に朝鮮半島出身者の強制労働があったなどと韓国側が主張し、物議を醸してきた経緯がある。

 その一方で、佐渡島が今、別の意味で“ゴールドラッシュ”を起こすかもしれない事実があることをご存じだろうか。

「佐渡島では現在、不動産価格が高騰しているんです。古民家や閉館したホテルなどを島外の人が買う動きが目立っているんです」(新潟県の不動産関係者)

 新潟県西部の沖に浮かぶ佐渡島は、東京23区の約1.4倍の面積を誇る日本海最大の離島。この広大な島に、島外マネーが流れ込む理由の一つは、くだんの世界文化遺産登録だ。

「佐渡の金山が世界遺産に登録されたのは2024年7月。それを機に、外国人の来島もかなり増えました。佐渡市の調査によると、外国からの来島者は22年の1160人から、25年には7155人へと増加。わずか3年で6倍超に膨らんだことになります」(前同)

 古民家や閉館したホテルの取得は、こうした外国人たちを受け入れるためなのか。

 オラガ総研株式会社代表取締役で、著書に『「外国人不動産」問題』(祥伝社新書)などを持つ不動産プロデューサーの牧野知弘氏が、その背景を解説する。

「今は団体旅行より、FIT(Foreign Independent Tour)と呼ばれる個人旅行が中心です。日本を何度も訪れた外国人ほど東京や大阪だけでは満足せず、地方の文化や風景を体験しようとする。佐渡島も、その行き先として注目されています」

 だが、佐渡の魅力は、金山だけではない。島内には国内に現存する能舞台の約3分の1に当たる30棟以上が残り、春から秋には各地で能が上演される。名物のたらい舟や野生のトキ観察、約280キロに及ぶ海岸線では海水浴はもちろん、カヤックやダイビングも楽しめる。

「その一方で、佐渡島の民宿やホテルはかなり閉館しています。日本人の富裕層や外国人の個人旅行客が満足できる宿はほとんどありません。そこで、観光客が今後も増えると見込んだ島外資本が入ってきているんです」(前同)

 離島の土地取得をめぐっては、山口県・笠佐島と沖縄県・屋那覇島に中国資本が入ったことが話題となった。佐渡島もまた、同様の買い占めが行われているのではないか。

「中国人の個人資産家が古民家や民宿を買い、自国の旅行客向けに再生するケースはあるでしょう。ただ、日本人の富裕層や企業、ほかの国の人もいるため、国籍だけで一括りにはできません」(同)