相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。
大相撲名古屋場所は、最後の最後まで、盛り上がったね!
横綱を目指す大関・霧島、大関復帰が決まった関脇・安青錦、そして巨漢の関脇・熱海富士の優勝決定巴戦は見応え十分! 本割で安青錦が熱海富士に負けたときは、やっぱり霧島の有利かな? と思ったりもしたけれど、安青錦の精神力は素晴らしかった! 痛めていた脚だってつらかっただろうに、目標を「優勝」に定めて、師弟でつかんだ勝利だった。
春場所はまさかの負け越し、そして夏場所は休場で、大関の座から陥落。カド番で臨んだ今場所だって、決して調子がいいとは言えなかった。原因は、体重が増えたこと。安青錦の強みは、低い体勢から相手を攻めていくところだが、体が大きくなったせいで、前半戦は、前傾姿勢が取れなくなっていた。
ところが、中盤くらいから、以前の頭を付けて相手が嫌がる相撲が復活! それと同時に白星も増えていった。安青錦の相撲はこうじゃなきゃ!
それにしても、豊昇龍、大の里の両横綱は、だらしなかった。豊昇龍は負け越しが見えてきたら、途中休場。
昔、大乃国という横綱がいて、あの時代にしてはガチンコ相撲だったから、皆勤して7勝8敗で負け越したことがあった。ゆえに「弱っちい横綱」というレッテルが貼られたりもしたけれど、横綱たるもの、そういう勇気も必要なんだ。