■ながら見では伝わらないおもしろさ
小池も北も演技が達者で、2人とも感情の動きをモノローグで説明するのではなく、微妙な表情の変化だけで表現しているシーンが多い。良く言えば繊細な演技が繰り広げられているのだが、画面に集中していないとわからないため、気軽に見られる作品とはいい難く、入りづらさを感じる視聴者も多いだろう。
内容も、連続殺人が起こったり爆破事件が起こるわけでもなく、今回も起きたのは傷害事件。被害者が再び自分の足で立てるようになるまでを描くため、どうしても地味な印象がある。被害者にも自業自得な一面もあるなど、味わい深い内容で、じっくり見れば、良くできた人間ドラマが展開されているのだが、ドラマ好き以外にはアピールしづらい。
ただ、ちゃんと見れば、良作だというのははっきりわかる。繊細な演技も入り込んで見れば、感情の動きがしっかりと伝わってくる。共演する岡山天音(32)や味方良介(33)も演技巧者だし、ちょっともったいないドラマだ。もし、NHK総合の連続ドラマ枠「ドラマ10」で放送されていたら、同枠ファンとの相性もよく、話題になっていたのかもしれない。
次回、夏海(小池)が絵梨子(北)にカウンセリングを受ける。ようやく物語の縦軸である、夏海の過去や、彼女の上司でバディだった山崎創(渡部篤郎/58)の失踪の謎について描かれそうだ。TVerなどで第1話から配信されており、まだ間に合うのでぜひ追いかけてみてほしい。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。