日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。8月8日はシャガーC(イギリス・アスコット競馬場)に、翌週16日のジャックルマロワ賞(フランス・ドーヴィル競馬場)ではシックスペンスに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年8月3日に寄稿されたものです)
宝塚記念を連覇した後、放牧に出ているメイショウタバルの凱旋門賞参戦が、正式に決定しました。
8月中旬あたりを目処にトレセンに戻し、前哨戦を挟まず、10月4日、フランス・パリのロンシャン競馬場で行われる本番に臨むことになります。
1994年のホワイトマズルから始まり、サガシティ(01年)、ディープインパクト(06年)、メイショウサムソン(08年)、ヴィクトワールピサ(10年)、キズナ(13年)、クリンチャー(18年)、ソフトライト(19年)、ブルーム(21年)、ドウデュース(22年)、アルリファー(24年)……。
ことごとく世界の分厚い壁に跳ね返され悔しさを味わってきましたが、同時に、挑戦し続けてきた一つ一つのレースが、僕の中では、プラスの材料として積み上げられています。
凱旋門賞ジョッキーになることは、ずっと願い続けてきた僕の夢です。
日本人が、初めて凱旋門賞ジョッキーになる日が来るとしたら、それは僕、武豊でありたい。
おこがましい言い方ですが、今も昔も、その気持ちは少しも変わっていません。
実力的に、日本馬が劣っているとは思いません。勝負を分けてきたのは、紙一重の差です。
そのわずかな差を埋め、逆転するためには、どうすればいいのか。凱旋門賞まで、残り2か月余り。すべての関係者が一つのチームとなり、立ち向かっていきたいと思います。
凱旋門賞に匹敵すると呼ばれる今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスは、ディープインパクトの孫娘に当たるモルティーズクロスが優勝。ブックメーカーがつける凱旋門賞のオッズが、11倍の3番人気に浮上しました。