■考察だけではない『リブート』の魅力
儀堂と合六亘(ごうろくわたる、北村有起哉/52)率いる裏組織「ゴーシックスコーポレーション」、さらに警察組織や政治家を巻き込んだサスペンスが本作のメインストーリーであり、スリリングな展開が魅力だったことは間違いない。さらに、匂わせ描写が多数投入され、考察も盛り上がったが、なによりも本作の魅力は家族の物語にあった。
ラストは一香(夏海)が罪を償い、早瀬家に戻っていく感動的なシーンだった。本作はそもそもが早瀬一家の物語なのだが、さらに監察官・真北(伊藤英明/50)も、兄を追い落とす動機は妻の過去の冤罪が絡んでいたし、冬橋航(永瀬廉/27)が運営していた「しぇるたー」も、行き場のない若者のために作られた疑似家族。それらはすべて物語に深く絡んでいて、実は本作は全編にわたって家族の物語だったのだ。
最近は視聴者を引っ張るため、考察要素を盛り込んだドラマが多い。ただ、『リブート』がヒットしたのは、家族というテーマが物語の芯にしっかりとあったからであり、それによってすべての描写に説得力があった。だからこそ、全話平均世帯視聴率が11.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)、配信サービス・TVerのお気に入り登録数の最高値が146.1万という好成績を出せたのだろう。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。