■やりすぎ感あるノンデリキャラだが

 新章に対する期待が高まる一方で、X上では、《咲子の同僚やら、樹生の同僚やら、気遣ってるようでいて傷口をえぐるような言葉とか、樹生の母親とか、ちょいちょい気分悪いようなの挟まれたり、結構な毒気のドラマですね》《周りの人間がデリカシーなさすぎる。樹生の友人だけはまだまとも》などと、一部のキャラに不満の声が。

 咲子(蒼井)に「かわいそう」と言ってしまう後輩。樹生(中島)に対し、家族とペットの死を一緒に語ってしまう部下。子どもの好きな物は知っていても苦手なものは知らない樹生の母。咲子と樹生の悲しみを際立たせるために嫌われ役は必要だろうが、ちょっとやりすぎ感はある。生方美久氏の脚本は『海のはじまり』(フジテレビ系)でも、ほぼ全員が悪意のないイラつかせ役だったが、本作もそれと似ている。

 この手法は、ドラマのインパクトは強くなるが、毒っけの強さは大多数には受け入れにくいのかもしれない。ただ、謎解き部分は巧妙だし、驚きの展開は演出も含めて大胆。それぞれの感情変化も丁寧に描いていて、一見、理不尽に見える世界観もスッと入ってくる。ドラマとしてよくできているからこそ、多少の不満を乗り越え、支持を拡大しているのだろう。

 平均世帯視聴率は0.2ポイントの微増で、7.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と番組最高を記録。配信サービス・TVerのお気に入り登録数も120万超えと好調。次回から新章に入り、咲子は充がスマホに残していた住所にあった赤い屋根の家を訪ねる。ノンデリも気にならない怒涛の展開に期待したい。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。