日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、2027年3月に迫った健康保険法改正について。病院の処方薬が実質上の値上げになる?
日本の医療制度が大きな岐路に立たされています。少子高齢化に伴う医療財政の逼迫を受け、国会や政府内では医療費適正化に向けた議論が加速。その一環として現在、具体的な見直し案の検討が進められているのが健康保険法の改正です。
中でも生活者に直撃する問題として浮上しているのが、「OTC類似医薬品」を巡る負担の在り方でしょう。これは一言でいえば、病院で処方される薬のうち、薬局やドラッグストアで市販されているものと有効成分や効果がほぼ同じ薬のこと。身近な例を挙げれば、痛み止めの「ロキソニン」やアレルギー薬の「アレグラ」、皮膚の保湿剤「ヒルドイド」などがこれに該当します。
これまで、こうした薬も病院を受診すれば原則3割の窓口負担で済み、残りの7割は公的保険で賄われてきました。しかし、同じ成分の薬をドラッグストアのカウンター越し(Over The Counter=OTC)に自分で買えば当然10割(全額)自己負担。この仕組みに対し、「自分で治せるのにわざわざ病院でもらったほうが安くなるのは不公平」「国の医療費を無駄遣いしている」との指摘が相次ぎ、ついにメスが入ることとなったのです。
政府内で合意されつつある方向性によれば、対象となるOTC類似医薬品はなんと約1100品目。早ければ2027年3月以降、まずはこれらの薬剤費に25%相当の金額を上乗せする形で、段階的な実質値上げがスタートする見通しです。