■文化庁が前代未聞の大規模調査を開始
こうした事態に、政府や文化庁も本格的な強制排除へと舵を切りました。書類未提出法人への過料手続きを徹底し、地方自治体と連携して不活動法人の整理を急加速。裁判所への解散命令請求件数を2023年度の9件から、2024年度は66件、2025年度には120件以上へと爆発的に急増させています。さらに、通信事業者や士業団体、M&A支援機関へ相次いで協力依頼を発出し、脱法的な仲介行為や名義貸しへの締め付けを強化。国際的な金融監視機関「FATF」からのマネロン対策不十分との指摘(2024年10月報告書)も受け、監視強化は国家的な至上命令となっているのです。
文化庁は2026年4月から、全国約1万8000法人を対象に売買の働きかけや不審な「運営支援の申し出」を洗い出す前代未聞の大規模アンケート調査を郵送で開始し、怪しい法人への直接の聞き取り調査も進めています。宗教法人は株式会社のように明確なオーナーが存在しないため、外部からの実態把握が難しく、不適切な資金移動の温床となるリスクをはらんできました。しかし、国による厳格な課税強化や解散命令の乱発、そして前例のない実態調査の開始により、安易な法人格取得の投資リスクは跳ね上がっています。地域のつながりや信仰の場が、不透明な取引によって損なわれていく現状に対して、私たちはより深い関心を持つ必要があるのではないでしょうか。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。