■被害を受けた局員の申し入れもスルーする…NHKが直撃に出した回答
前出のスポーツ紙記者が続ける。
「今回のNHKの会見でもあった通り、Aさんが労働組合を通じて“番組出演者からの性被害により体調を崩して休職”したことと、“フラッシュバックなどもあるため所属部局以外での復職等を希望したが、聞き入れられなかった”ことを申し入れたのは中居氏の騒動から間もなくの25年4月のことです。それより以前から性被害について職場に相談したり、異動希望を出していたけれども受け入れられなかった。Aさんもこのタイミングなら聞いてもらえる、と思ってのことだったのかもしれません。
NHKは同年4月28日、Eテレの福祉情報番組『ハートネットTV』で《“権力”と性暴力 被害の声に向き合う》という特集番組を組み、性被害の苦しみについての放送もしていましたね」
当サイトは8月6日午後、NHKに対し、取材を申し込んだところ、広報担当から回答があった。
――異動依頼があったにもかかわらず放置した理由は?
「例外的な対応を認めると他の休職者などへの対応に影響が広がると懸念していたことや、『元の職場への復帰』の原則の趣旨について理解が不足していて、原則を守ること自体が目的化していました。また、関係者間で『事案の深刻さ』に関する共通認識がなく、踏み込んだ対応に至りませんでした。本来は被害者の状況や主治医・産業医の意見などを十分踏まえて総合的に判断すべきでした。結果として、そのような検討が十分になされず、被害者に寄り添った対応ができなかったことに問題があったと認識しています」
局として、旧態依然とした“ルール”を守ることこそが第一命題であったことのあらわれであろうか。
25年に稲葉前会長が、被害を訴える内部通報は「いっさいない」、また「あらためて調査する予定は
「フジテレビ問題を受け、放送業界全体での取り組みが求められる中、よりよい職場環境を構築し、公共放送としての使命を果たしていくため、全職員を対象に、同種事案の有無等を確認するためのアンケート調査を、昨年の夏に実施しました。アンケートの回答は、ハラスメント防止施策や人権施策に落とし込んでいっていますが、今後、より実効性のあるものとなるよう活用していきます」(NHK広報担当)
また今回、公表に踏み切った理由については、「職員の人権問題をめぐる不適切な対応が明らかになり、組織としての反省と再発防止の取り組みを明らかにするため」(前同)ということだった。