■野呂佳代でなくてはできなかった役
第4話であかりが日雇い労働者の男性に語った、「失敗じゃない。穴に落ちちゃっただけ」「穴から出れたらまた歩けるから。歩いてたら誰かの『助けて』が聞こえるかもしれないよ?」など、ひとつ間違えたらやたら説教臭くなってしまうセリフも、野呂からにじみ出る“スナックのママ感”もあって、あかりの言葉にはものすごい説得力があったのだ。この役は野呂でなくてはできない役だっただろう。
深刻さはなく、誰でも楽しめるエンタメ作品ではあるが、決めるところはしっかり決める。本作では毎回のように「きれいごとじゃないよ、きれいなことだよ」「上に立つじゃなく、前を歩く」など、絶妙すぎるパワーワードが仕込まれ、感動を呼んでいた。演者、脚本、演出ともにハイレベルな作品だったのだ。
本作で「出演作にハズレなし」という伝説を継続させた野呂。次回出演作が楽しみだ。期待したいのは、『ブラッシュアップライフ』と『ホットスポット』(ともに日本テレビ系)でタッグを組んだ、バカリズム(50)脚本の27年前期NHK朝ドラ『巡(まわ)るスワン』で、大河女優に続いて朝ドラ女優デビューすることだろうか。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。