■中高年のリアルな姿を描くドラマがくる?

 とはいえ、火曜ドラマらしく恋愛要素も入れてきたが、浮かれた感じはなくしっかりとリアルな大人の恋だった。第4話ではみなとが大江戸に、亡き夫への後悔を明かすシーンが話題になっていたが、大人の恋愛は元パートナーとの過去や子どもとの関係など、素直に飛び込めない事情が多い。それらをクリアしていく過程を丁寧に描いていたのだ。

 大人の恋愛を描いたドラマで最近のヒットは、昨年4月期の『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)が思い浮かぶが、主人公がマスコミ勤務で、鎌倉の家に居候していたり、設定はいかにもドラマ的だ。一方、本作はみなと(永作)がスーパーで働いていたり、なかなか打ち解けられない、もどかしい人間関係を描くなど、かなりリアル寄り。この丁寧さ、身近さが、支持された理由だろう。

 コンテンツが多様化したこともあり、テレビの視聴習慣があるのは、40代以上がほとんど。それもあって、最近のドラマは明らかに40代以上をターゲットにしたものが増えてきた。恋愛を多く扱ってきた火曜ドラマも、こちらに舵を切ったのは新しい動きと言える。本作のヒットで、中年のリアルを描くドラマが増えていきそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。