相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。

 8月2日から大相撲一行による夏巡業が行われている。

 中部、東北、関東近郊などを回って、8月30日に東京・立川市で打ち上げというハードスケジュールだ。

 オレは前から、力士の健康状態などを考えて、長期間の巡業には反対していたが、10月の秋巡業からは、少しずつ緩和されるという。今回もケガで途中休場した横綱・豊昇龍や、人気の若隆景、高安らが巡業を休場。巡業が長すぎると、体をケアする時間が取れないまま、翌場所を迎えることになるから、力士はかわいそうだ。

 さて、力士にとって、嬉しいニュースも伝わってきた。来年から、力士の給料や優勝賞金などがアップするというのだ。

 幕内最高優勝の場合、現行の1000万円から2000万円と2倍になって、三賞の賞金も200万円から300万円になる。

 今は、両横綱がフラフラしていて、誰が優勝するか分からないという状況だから、力士は目の色を変えて優勝を狙うだろう。

 一気に2000万円がもらえたら、新築マンションを買う頭金くらいにはなる。都内のマンションは1億円超えという時代だから、4、5回くらい優勝しないと、無理か(笑)。

 そして、横綱の給料は月300万円から330万円になるなど、幕内、十両、幕下以下の力士たちも、軒並み10%ほどのアップになった。

 でも、メジャーリーガーに比べたら、横綱の給料は少なすぎる。力士のトップなんだから、1000万円以上もらってもいいんじゃないの?

「横綱になったら、月に1000万円もらえるんだ」という夢を与えることも、力士を目指す少年たちには必要だ。