日本最大手通信会社のNTT。そのグループの中核を担うNTTドコモに「電波がつながらない」「遅い」といった声が殺到している。実際にXでも、こうした不満の声があふれている。

《住宅街歩いてるだけで切れる》
《4Gと5Gを行き来して、電波はあるはずなのに通信が切れる》

 NTTといえば、前身の「日本電信電話公社」時代には公衆電話の設置など日本に通信手段を広めてきた立役者。そんな“電話のパイオニア”に、いったい何が起きているのか。

「2023年、大都市部を中心に通信品質が急低下しました。“5Gエリア拡大の遅れ”などが原因との説明が当時ありましたが、その後も基地局数の増強に取り組んではいるものの、2026年現在でも、完全な回復には至っていないようです」(全国紙経済部記者)

 回復に至らないどころか、ますます不満の声は大きくなるばかりの様相を呈している。この最近の通信速度の遅さの理由について、NTTドコモは明らかにしていないが、ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「ユーザーを混乱させないためだろう」と推測する。

「何かしらの理由があるのかもしれませんが、それは専門的な話になるはず。軽はずみに説明したところで一般の人にはわかり得ない部分があると思うので、あえて言わない、という選択肢をとったのでは……と思っています」(以下、井上氏)

 そんな中、近年は“格安スマホ”と呼ばれる低価格で通信サービスを受けられる通信事業者を利用する人が急増しているのだという。

「格安スマホとは、大手キャリアの回線の一部を借り受けてサービスを行っている業態のことです。例外として楽天は独自の回線を持っていますが、その他の格安スマホは基地局などの通信設備を持たず、設備投資がかからないためユーザーにも安く提供できるんです。一昔前はドコモ、au、ソフトバンクといった“3大キャリア”のいずれかと契約するのが当たり前でしたけど、今回の件を受けてかは不明ですが、大手キャリアも通信状態が万全と言えないことが大きな要因ですね」

 そして最近は特に、日本人に“コスパ思考”が浸透していることも大きいという。

「物価は上がるのに所得は増えにくい昨今、“飲み会離れ”などに加え、少しくらい不便でもスマホにかかる金額を抑えたいという動きがあります。そこで、かつてはスマホの入門編とされた格安スマホが、今では幅広い層から注目され始めました」

 実際、総務省統計局によると、2025年の2人以上の世帯の消費支出は交通費・通信費が約15%と高い割合を占めている。ここをなるべく抑えたいという動きが出ているというのは自然なことなのだろう。

 ちなみに気になる通信料金だが、プランによって異なる部分はあるものの、大手キャリアの平均的な月額料金がおおよそ7000~8000円程度なのに対し、格安スマホは2000~3000円程度。同じ通信インフラを提供するサービスに、なぜここまで値段の差を作ることができるのだろうか。

「設備投資がかからないだけでなく、実店舗を持たずにオンラインや外部委託でサポートを行っているのもコスト削減が可能な理由の一つです。また、基本のプランで最低限のものを設定し、“かけ放題”や“ギガ追加”などはオプションを追加する仕組みにすることで、ユーザー側も必要なだけの支払いが可能になっているのです」

 さまざまなコストを下げることで、サービスの費用を抑えているということなのだ。

 ちなみに、ドコモの「ahamo」や、auの「povo」など、大手キャリアによるオンライン専用の格安プランもあるが、

「大手キャリアならではの信頼は感じられるかと思いますが、個人的には、通信の早さなどは他社の格安スマホと大きな違いはないと思います」