■どのキャリアが一番“お得”なのか
長年のブランド力と信頼性を誇っていたNTTドコモですら、その通信速度が万全ではない昨今である。もはや大手キャリアの通信の品質や速度も当てにならないのなら、料金が大手キャリアの半額という“格安スマホ”を検討しない手はないだろう。
では、トコトン節約してスマホを使用するならどうしたらよいのか。
「中古ショップなどで型落ちのスマホを購入してバッテリー交換、その後に格安スマホのシムを購入して自分で設定するのが最安値でしょう。ただ、価格が抑えられる分、ある程度は不便と感じる場面があるというのは念頭に置かないといけません」
そのデメリットは、とにかく「労力がかかる」ということだ。
「特に自力で初期設定するには手間がかかるでしょう。店舗がない分、サポート体制は薄く、チャットのみの対応ではわからないといったこともあり得ます。また、自分が必要な通信量や、通話の有無は把握しないといけません。契約後から闇雲にオプションを付けすぎると、結局は大手キャリアのときと費用が変わらない……といったことになりかねません」
さらに、大手キャリアと比較するとどうしても“つながりにくさ”は感じやすい場面はあるかもしれないという。
「イメージとしては、10本の道路があればそのうち7本の車線は大手キャリアが占領している状態。平日の昼休みや、お盆や正月の時期など、混む時間帯には3車線では渋滞してしまうでしょう。通信も同様で、その時期や時間帯では繋がるのが遅くなってしまうんです」
今や数多く存在する格安スマホ。その黎明期は、“スマホを広い世代に使ってもらう”という思惑から始まった取り組みだった。
「当初はスマホを若年層などにも広げるため、または通信端末を作る会社が自社製品の利用者を増やすために始めたものでした」
それが、1人1台のスマホが当たり前になったことで、“いかに安く使いこなすか”という考え方にフォーカスが当たっていった。
「企業勤めで支給されたスマホで平日は過ごすから、プライベートは少ない通信量で事足りる、家族で使うからなるべく安く使いたい、そういった考え方から格安スマホに流れる人が増えてきているのではないでしょうか」
どのキャリアが一番“お得”なのか……。それは自分に合った使い方ができる会社であることだという。
「たとえば高齢者の人は、店舗で操作を教えてくれたり、セキュリティ対策をオプションで追加できたりというメリットのある楽天モバイルがおすすめ。データ利用無制限でもリーズナブルな定額制で、データ使用料が少なければさらに安いですから。一方、さらに月々の費用を抑えたい人や大容量でもっとお得なプランの格安スマホもあります。契約期間の縛りがない会社が多いですから、若い人なら使い方に応じて、またキャンペーンに乗じて、いろいろなキャリアを“お試し”するのも選択肢でしょう。一方、動画やゲームで通信量が必要な人や、仕事でとにかく早く通信したい人には大手キャリアのほうが安心かも。自分のライフスタイルに合わせてサービスを選ぶのが一番“お得”なんです」
物価高の今こそ、月の固定費となるスマホの通信費は抑えたいコストの一つ。賢く節約をすべく、一度プランを見直しても良いかもしれない。
井上トシユキ
同志社大学卒業後、会社員を経て1989年より取材執筆活動を開始。IT、ネットから時事問題まで各種メディアへの出演、寄稿および論評多数。企業および学術トップへのインタビュー、書評も多く手がける。