「出張が決まるたびに、まずホテル代を見て、ため息が出ます。会社から出る宿泊費には上限があるのに、普通のビジネスホテルがその金額では全然見つからないんです」

 そう話すのは、月に2〜3回、大阪や名古屋などの地方都市へ出張する都内在住の40代会社員だ。
勤務先の旅費規定では、宿泊費として認められるのは原則1泊1万円程度。しかし、最近は出張先によって、その予算では駅周辺のビジネスホテルすら確保できないことがあるという。

 「アパホテルや東横インみたいな、昔から出張で普通に使ってきたホテルを探しているだけなんです。でも、エリアによっては一般的なビジネスホテルでも1万5000円、2万円を超えていて……。会社の上限を超えた分を自腹で払ったこともあります」

 かつて「安くて便利な出張の味方」だったはずのビジネスホテル。その価格に異変を感じている会社員は少なくない。

 とりわけ価格が跳ね上がるのが、東京や大阪、京都などの大都市や観光地だ。外国人観光客で街がにぎわう一方、ライブや大型イベントが重なった週末ともなれば、手頃なホテルから次々と予約が埋まっていく。

 「この前は東京で泊まろうと思ったら、会社の規定内ではカプセルホテルくらいしか残っていませんでした。翌朝から仕事なので、本当はちゃんとベッドで休みたい。でも毎回数千円を自腹で足すのも馬鹿になりません」(前同)

 別の30代会社員も、地方から東京への出張でホテル探しに苦労することが増えたという。

 「以前は1万円出せば、それなりに選択肢がありました。今は出張日が決まったら、とにかくホテルを先に押さえる。予約が遅れると、会社の予算内では勤務地からかなり離れたホテルしか残っていないこともあります」

 インバウンド需要の拡大に加え、人件費や光熱費、さまざまな物価の上昇――。宿泊料金が上がりそうな材料はいくつも思い浮かぶ。

 SNSでも、《東京出張、1万円じゃまともなビジホに泊まれない》《出張なのにホテル代の差額が自腹なの納得いかない》《ビジホが高級ホテルみたいな値段になってる》《会社の宿泊費上限をそろそろ見直してほしい》など、出張族から嘆きの声が上がっている。