King&Prince高橋海人(24)とSixTONES森本慎太郎(25)が主演を務める『だが、情熱はある』(日本テレビ系)の第3話は、高橋と森本の役者としての本気度が強烈だった。髪型や服など見た目は変化しても、自分に自信がない若林(高橋海人)と、嫉妬の感情に狂う山里(森本慎太郎)の苦しみが、痛々しいぐらいに伝わってくる。芸人になるため、必死にもがく2人を高橋と森本が魅力的に演じていた。

■若林を演じる高橋海人の鈍く光る芝居

 若林には、春日(戸塚純貴/30)がいる、それがどれだけ心強かっただろうか。月に2回の小さなステージに立つ仕事をもらっていたが、観客はいつも同じ2人の女性。ギャラは微々たるもので、とても食べていけるものではない。一人暮らしするにもお金はないし、バイトもなかなか決まらない若林の鬱屈した表情を見ていると、こちらも心が落ちていきそうだ。

 一方、春日は相変わらず飄々としていて、現状に大きな不満や危機感がない。だけど、就活を始めようとするぐらいだから、芸人としての活動は本腰を入れたものではなかったようだ。だけど、若林にとっては、春日とコンビを組んで芸人になることはマストだった。だから、自分の本気度を見せたくて、プールでの潜水競争を春日に申し込む。

「俺が勝ったら、就職やめて芸人な」と言い放った時の表情、その目がすごかった。これで人生が決まる、そんな覚悟を決めた男の顔をしていたのだ。心を燃やして、爆発させるエネルギーが半端なく強い。体力的にも不利と思われた潜水競争は根性で勝ち、春日と正式にコンビを組むことに成功した。

 だけど、キラキラした表情や、達成感などは一切ない。言うなれば、鈍い光。だけど、本当にほしいものを手に入れた若林は、全然受からないバイトの求人誌を捨て、アフロヘアにしていた髪を切り、芸人として突き進んでいくのだ。アフロヘアからナチュラルヘアに戻った若林だが、その表情や目の暗さはアフロヘアにする前から、ずっと変わっていないことに気付く。見た目が変わっても中身は同じ、という徹底した役作りをする高橋に唸ってしまう。