■キャバ嬢がエンタメコンテンツになりやすい理由

 SNSの普及により、夜職が“秘めた”世界の話ではなくなってきたようだ。では、エンタメコンテンツとしての取り上げられ方についてはどうか。前出の鎮目氏が続ける。

「(夜職の世界は)元々文学やドラマではよく描かれてきたジャンルではあります。そもそも若干ダークな匂いのする世界に人は惹かれるもので、エンタメとしても任侠ものをはじめ、裏社会や犯罪の物語は古今東西数多くのヒットとなってきました。女性を主人公とする場合、夜職は一つの鍵だということですね。文字通り身一つで切り開くストーリーになるので、冒険活劇になりやすい」(鎮目氏、以下同)

 配信時代だからこそ、そうしたコンテンツが目立つ背景もあるという。

「地上波になかなか出づらい実力派俳優の起用とか、スポンサーの関係で地上波が描きにくい内容でも描けるという強みがあります。そうした際に、やはり“配信ならでは”のできることとして、わかりやすいのはイメージの脱却や、魔性を全開にするような内容ですよね。

 かつ、最近はNetflix作品に顕著ですが、昭和~平成の価値観というか、ギラギラした欲望のぶつかり合いを描くギラギラしたコンテンツが人気を集める傾向にあります。任侠ものとか、闇社会とか。そういうときにキャバ嬢のような夜職とSNS、配信時代のエンタメは“相性がいい”のでしょう。また、夜職コンテンツが多く見えるのは、それだけ夜職が職業の一つとして当たり前になってきたことの裏返しでもあると思います」

 時代とともに、夜職の捉えられ方、扱われ方は変わってきている――。

鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)