■「70過ぎのジジイにだって使い道はある」
そんなたけし軍団も、業界内ではベテランとして扱われるようになって久しい。最年長のガダルカナル・タカも69歳だ。
「たしかに気づいたら僕らは年寄り軍団になったかもしれない。でも古くなった70過ぎのジジイにだって使い道はありますからね。老害の意地を見せてやりますよ。世の中、何があるか本当にわかりませんから。僕だって子供の頃から阪神がひたすら好きでスコアボードをつけていたら、それが30年以上も続く仕事に繋がったわけですし」
そんなダンカンが主演を務める舞台『キリシマサトル、青春の蹉跌』が9月2日から6日まで東京・新宿の新宿シアタートップスで上演される。1970年代の連続企業爆破事件で指名手配され、逃亡から約50年後、偽名で入院中の病院で自身の本名を明かし、4日後に死去した桐島聡の数奇な人生をモチーフにしたオリジナル作品だ。
「事件があったのは50年くらい前で、当時、僕は高校生だったんですよ。あさま山荘事件に代表されるように、“ときには人の命を奪ってまでも世の中を変える!”というエネルギーは肌で感じていました」
その上で、今回の舞台は単なる懐古主義的な昔話ではないと続ける。
「今も世の中には不平不満がくすぶっていますけど、当時の学生運動みたいな動きはほとんどない。その代わり、SNSの誹謗中傷みたいに歪んだ形で膿が表面化しているじゃないですか。果たしてどちらの社会が良いのか、そこはすごく微妙だと思いますね」
お笑い、俳優、そして経営者と数奇な運命を転がり続けてきたダンカン。そんな男が現代社会に突きつける「痛烈な問い」は、観客の心に深く突き刺さるはずだ。
ダンカン
タレント、俳優、放送作家。1959年生まれ、埼玉県出身。立川談志師匠の弟子「立川談かん」として活動後、ビートたけし氏が率いる「たけし軍団」入り。趣味は野球(阪神タイガースコラム「虎の通信簿」をサンケイスポーツにて連載中)、釣り、ゴルフなど。所属事務所TAPの専務取締役も務める。