■ストーリーが見えてこない『VIVANT』

 その中でも多いのは、“野崎は潜入捜査”説と”新庄は生きている説”だ。野崎については、第1シーズンの乃木がテントに潜入して探っていたこともあり、それと同じパターンなので簡単に想像がつく。新庄も「太った」「ガム」と、わざとらしいセリフを散りばめていて、生存説を煽る気まんまん。要するに、どちらも考察するには物足りない。

 一方で、ストーリー展開は相変わらずノロノロ状態だ。今回は「シンシー」という新たな敵が出てきて、幹部のハン(宮下)は「テント」のことを知りたがっている。野崎(阿部)は乃木たち「別班」を裏切ったように見せ、「シンシー」に潜入しているかも……といった具合で、考察を超えるような動きが見えてこない。

 そのためか、《面白いんだけど伏線とか謎を張り巡らせることに全てを掛けていてストーリーが見えてこないんだよね。薫(※二階堂ふみ/31)もジャミーン(※本間さえ/12)も全然出てこないし「この人が裏切った!」「実は生きてる!」ばかりで内容全然入ってこない…やっぱり続編って難しいね》などと、どうにもワクワクしない展開に不満の声も少なくない。

 思い返せば、第1シーズンの前半は、乃木と「テント」の正体で引っ張っていた。それが第2シーズンになると「別班」も「テント」もおなじみな存在として展開しているため、《これってどういうこと?》という興味が半減している。そのあたりをごまかすため、考察煽りをやたら入れて、興味を持たせているように思える。前シーズンからキャラを引き継がなければならない、シリーズものの難しいところか。

 ようやく「シンシー」という謎の組織を出してきたが、はたしてこれで2クール持つのだろうか? 第14話の平均世帯視聴率は16.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)で、今シーズンで初めて前話を上回る持ち直しを見せており、物語の続きを楽しみにしている視聴者は多い。考察を超えていく展開に期待したい。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり多部未華子佐藤二朗綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。