■“テレワーク時代の終焉”とするのは早計
やはり仕事の質を上げていくためには出社が不可欠というところに行き着いたということのようだが、これで“テレワーク時代の終焉”とするのは早計。当然のことながら、テレワークにはプラスの面も存在すると、前出の芦野氏は言う。
「最大のメリットは、やはり働きやすさですね。単に家にいられるというだけではなく、育児や介護、それから急な転勤などにも対応しやすいですから。特に今の時代、育児と仕事をどう両立するかは大きなテーマ。実際、30歳前後になると“子育てのため、リモートにしたい”という理由で転職を希望するケースが非常に増えます」
特に最近は男性も育児に積極的に参加するため、これは男女を問わず見られる傾向だろう。だが、テレワーク導入によるメリットがあるのは企業側とて同じだ。
「テレワークを導入していれば、“毎日出社しなくていいから入社してくれる”というケースが少なからず出てきます。多様な働き方を提示できるのは、企業にとっても大きな武器になりますから。“うちは週1回の出社でOKですよ”というのは優秀な人材を確保するにあたって非常に有効なアピール材料になるんです」
日本でテレワークが求められる理由として、住宅環境や通勤事情の問題もある。首都圏だと片道1時間半以上かかることもザラなので、そうすると1日のうち3時間以上を通勤に費やすハメに。「あまりにも無駄すぎないか?」という議論が出るのも当然だ。
「当然、そのあたりは企業側も理解しています。それでもなお、テレワーク推進のデメリットのほうが大きいという判断を最終的には下しているということでしょう。なので今は、週5日すべて出社という従来の出勤スタイルではなくて、出社とリモートを織り交ぜた“ハイブリッド型”が増えています。週1回、会議がある日だけ出社が義務づけられているとか、週3日は出社するとか、企業によってその比率はバラバラですが」
デメリットが指摘される一方で、テレワークを求める労働者の声も大きい。どうやら今は過渡期にあることは間違いなさそうだ。
「たとえば“完全フルリモート”という前提で20代のうちから東北地方に家を買ってしまうとします。そうすると、当然、選択肢は限られてきます。そういった行動を取るべきかどうかは、いろいろ考えたほうがいいと思いますね。“若い人はテレワークを望んでいる”と決めつけるのも短絡的で、上の世代から学んで吸収したいと考える意識の高い人材はむしろ出社したがっているという一面もある。いずれにせよ、両方に対応できるようにしたほうが今は賢明かもしれません」
働き方の“最適解”は、まだ見えていない。
レバテック株式会社
レバテック株式会社は、「日本を、IT先進国に。」というビジョンを掲げ、IT人材の仕事探し・採用支援を行うHR事業に加え、企業のDX推進・内製化支援を行う事業を多角的に展開。企業と個人の両面から課題解決を行い、日本の経済成長を牽引することを目指す。