日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、激減する書店の異色な生き残り策についてです。

 電子書籍の急速な普及や若年層の活字離れにより、岐路に立たされている書店業界。帝国データバンクが発表した全国書店経営動向調査によると、2025年度に赤字だった書店は38.7%に達しました。市場規模の縮小は止まらず、同年度の事業者売上高ベースでは1兆700億円程度と、2015年度から10年で2割近く減少。全国の書店数は2025年度末時点で9993店と1万店を割り込んでおり、10年間で3割近くにあたる約4000店が姿を消しているのが実情態です。

 この厳しい経営環境のなか、各書店は生き残りをかけた新たな取り組みを進めています。

 福岡・北九州市にある創業100年を超える白石書店では、店頭に素麺やお米を並べる食品販売を開始。また、東京・東久留米市の「野崎書林」では、本棚の隣に地元野菜を陳列するなど、異業種との融合で新たな集客につなげようとしています。一方、大手書店チェーンでは、カフェや雑貨、美容施設、アパレル、アウトドアグッズ売り場と融合した体験型店舗を展開。さらに、ジムやピラティスと組み合わせ、「健康と知の場」をコンセプトにした複合店舗も登場しています。