日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。8月30日の日高ステークスではマジックローズに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。

(以下の内容は2026年8月24日に寄稿されたものです)

 2週間の欧州遠征、スタートは8月8日。イギリス・アスコット競馬場で行われた国際騎手招待競走、シャガーCでした。

 選ばれた12人の騎手が4つのチームに分かれ、6レース(1人の騎手が5鞍に騎乗)の合計ポイントでチームの勝敗を争う、このイベントに僕が参加するのは8年ぶりです。

「1つ……できれば、2つ勝って、シルバーサドル賞(最多ポイント獲得騎手)を手にしたい」

 日本代表として強い気持ちで挑んだ5つのレースは、10着、3着、2着、5着、10着。獲得した合計ポイントは20ポイントと、個人としては5位で、チーム(世界選抜)は、4位という結果に終わりました。

 悔しさもありますが、世界中のジョッキーが憧れるアスコット競馬場で騎乗できたことには誇らしさを感じますし、世界で活躍するジョッキーとの腕比べは、とにかく楽しい。

 個人的な思いとしては、来年、再来年、その先もずっと、アスコットで乗りたい。そのためにも、さらに研鑽を積み、再びアスコットに呼んでいただけるような騎手でいたいと思います。

 戦いの場をイギリスからフランスに移し、8月16日は、ドーヴィル競馬場で行われたGIジャックルマロワ賞(芝直線1600メートル)です。

 これまで僕が、このレースに参戦したのは5度。すべてフランスの調教馬で、最初は1994年のスキーパラダイス(5着)、98年はミスベルベール(4着)、99年はウェイオブライト(4着)、02年はボウマン(6着)。最高着順は、08年にナタゴラでの2着。