■会社そのものも“ゲームオーバー”に

 しかし、スマホゲームがガチャビジネスから脱却できないのには、理由があった。

「かつての家庭用ゲームと違い、スマホゲームには終わりがありません。ユーザーを飽きさせないためには、新しいキャラクターやイベントを次々に追加する必要があり、継続的な人件費と制作費がかかるんです。そのうえで、昨今のスマホゲームは“リッチ化”しています。3Dグラフィックス、フルボイス、キャラクターが滑らかに動く高度なシステムを備えた作品が増え、開発費が10億円以上かかることもあるんです」(三上氏)

 スマホゲームの収入源は、ユーザー課金以外にも広告収入がある。しかし、広告収入はあまりにも単価が低い。莫大な運営費を賄うためには、ユーザー課金に頼らざるを得ないのが現実だ。

 こうして運営コストがかかり続ける一方で、課金に疲れたユーザーは減っていく。少なくなったユーザーをつなぎ止めるには、さらにお金をかけて新たなコンテンツを投入せざるを得ない。その結果──売上と運営コストが見合わなくなり、“サ終”というバッドエンドが相次いでいるのだ。

 それどころか、会社そのものが“ゲームオーバー”を迎えてしまっている。

「帝国データバンクの調査によると、2026年1〜7月に発生したスマホゲーム事業者の倒産は10件。すでに前年1年間の3件を大きく上回り、過去最多だった2015年の12件を上回るペースで推移しています」(前出のゲーム誌記者)

 苦境に立たされたスマホゲームに、今後、生き残る術はあるのか。三上氏は、次のように話す。

「まずは、強いファンを作ること。1人のユーザーがゲームに課金するのは、多くて1〜2本でしょう。サービスに熱中してもらうためには、今後はゲームを楽しませるだけではいけません。運営の事情も正直に説明し、ユーザーと誠実に向き合う姿勢が必要です。短期的に課金させるのではなく、ユーザーが長く応援したいと思えるような関係を作らなければなりません」

 ユーザーの財布ではなく、心をつかむ。それが“サ終”を回避する、本当の攻略法なのかもしれない。

三上洋(みかみ・よう)
東京都世田谷区出身、1965年生まれ。都立戸山高校、東洋大学社会学部卒業。テレビ番組制作会社を経て、95年からフリーライター・ITジャーナリストとして活動。文教大学情報学部非常勤講師。専門ジャンルは、セキュリティ、ネット事件、スマートフォン、Ustreamなどのネット動画、携帯料金・クレジットカードポイント。