■自宅でコロニーを眺めることも可能
日本自然保護協会によると、日本に生息するアリの種類は約300にのぼるという。その中でも日本最大級サイズの『クロオオアリ』、体長数ミリの『アミメアリ』、スタイル良しの『アシナガアリ』などと、姿形はさまざまだが、わざわざ地中を探って女王アリを採取せずとも、販売店でアリを購入すれば自宅でコロニーを形成させることができる。
「コロニーの規模や採集の時期にもよりますが、クロオオアリの場合、女王アリ単体ならケース付きで3,000~4,000円程度、コロニーなら5,000~6,000円程度で購入することができるでしょう。ちなみに、初期費用は巣と餌場を合わせて5,000円程度。シンプルなケースや試験管などを活用すれば、2,000円程度(生体代除く)で一式をそろえることも可能だと思います」(以下、カギカッコはすべて當流谷氏)
規模にもよりますが生体とグッズ込で約1万円程度もあれば、本格的にアリの生活を観察できるというのだ。ちなみに、“巣”は蟻の巣をイメージした石膏製の巣や3Dプリンターで製作された巣、珍しいものだとステンレス製のものなど種類も多く、餌を与えたりアリが巣の外で活動したりする“餌場”にも通気性を考えたりと“凝りどころ”もたくさんアリ。
というのも、アリの種類によって生活スタイルは多岐にわたるため、“土の中で生活し、甘い物を一生懸命運ぶ健気な虫”という印象を裏切られることも少なくないのだ。
「枯れ枝や木の中に巣を作る種類、葉を幼虫の糸でつなぎ合わせて樹上に巣を作る種類などもいますし、中には昆虫などの獲物を積極的に“狩る”種類だっているんです。だから飼育するにも、巣内の湿度や通気性、餌の種類などを種によって変えないといけないのが難しさでもあり奥深さでもあるんです」
ここまで数千円程度で手軽にペットとして楽しめる存在としてアリを紹介したが……。一方、カブトムシなどと同様に“高額市場”も存在する。希少性やコロニーの規模などによっては、高額で販売される“レアもの”がいるというのだ。
「例えば、『パラポネラ』という大型種はアリ飼育者の憧れの種類で、存在感があり、昆虫などの獲物を運ぶ姿も見応えがあると人気なんです。また、東南アジアに生息する『ギガスオオアリ』もとてつもなく大きい姿には迫力があって好まれます。ちなみに、私のお気に入りは『メタリカ』というオーストラリアの種ですが、この種は光が当たると緑から紫色に輝く美しいアリなんです」
なお、アリによっては女王アリの寿命は10年ほどと長く、難易度は相当高いが、“新女王アリ”が交尾に成功すれば、また次世代のコロニーを形成させることだってできる。
「初めてアリをチャレンジするなら、国産種である“クロオオアリ”、“ムネアカオオアリ”、“ミカドオオアリ”が飼いやすくてオススメ。中央アジア原産の“コハクオオアリ”は餌に色付きのかき氷のシロップを混ぜてなめさせるとお腹がすけて赤色や青色に変わっていく様子が観察できて夏休みの自由研究にも面白いかもしれません」
奥深いのアリの生体は、子どもの自由研究だけでなく大人も楽しめる新たな趣味になりそうだ。自宅で小さな社会生活を営む様子を眺めるのも“アリ”かもしれない。
2026年10月4日(日)には、日本国内におけるアリの魅力、アリ飼育文化をさらに広げ、知識の量・経験を問わず、アリ飼育者の誰もが楽しめるイベント『蟻道』が開催される。有識者によるトークショー・生体の展示・物販・ワークショップなど、アリ好きが"1日中楽しめる"内容となっているようだ。
蟻道|アリ好きのための蟻イベント・展示・交流会【公式】
AYimport(エーワイインポート)
世界各国から集められた魅力あふれるアリたちを販売。普段なかなか見ることのできない珍しい種類から、初めてアリを飼育する方にもおすすめの種類まで、多彩なラインナップをご用意。