■上白石萌歌も大ピンチ! あえて”水”を口にしないプロ根性も

 ドラマスタッフの一人に撮影時の過酷さをたずねると、

「崖から落ちるシーンがあるということは、当然それを上から撮影しているカメラマンがいるということ。赤楚さんも、カメラマンが重い機材を担ぎ、崖の上で構えている姿を下から見上げているときは“すごいなあ”と漏らしていました。

 裏砂漠のなかでも、ロケ地となった場所は砂利道のような足元の悪い道を長々と歩かなくてはたどり着かない。そして、そもそも山腹なので傾斜も続く。

 そんななか、スタッフや演者は機材や水など重たい荷物を抱えて移動しなくてはならず、普段以上に体力のいる撮影で、俳優陣からは“撮影時間より移動時間のほうが長い”という冗談まで飛び出すほどでした。さらに、2023年からタイムリープした30年後を作中では描かなければならないので、撮影スタッフはクランクイン前まで資料探しに大慌てでした」

 一方で、俳優陣はそんな現場を乗り切るため、さまざまな工夫をしていたようだ。先のスタッフが続ける。

「上白石さんは遭難者の役作りとして、喉を乾かせておく、あえて空腹状態を作るなどプロ根性を見せていましたが、純粋な本音としてツラかったのは間違いない。彼女は、2018年に放送され平均して14%近い視聴率を叩き出した『義母と娘のブルース』(通称「ぎぼむす」)以来、TBSのお気に入り女優ですが、さすがに今回の撮影は肉体的に相当ツラかったのではと。

 いつもはにこやかな上白石さんですが、撮影の合間には苦悶の表情を浮かべることもありました。それでもヘトヘトになりながらスタッフと一緒に撮影場所まで荷物を運んでくれていました」

 おそらく上白石は、自身のドラマ出演史上で最大の肉体的なピンチを迎えていたというわけだ。そんな撮影現場だが、楽しみもあったという。

「僻地での撮影とあってスマホの電波も入らなかったので、むしろアナログなコミュニケーションを楽しめた。演者のみならずスタッフも含め作品にかかわるメンバーの結束は固くなりました。山田さんが撮影スタッフに“頑張りましょう!”と声を掛けるなど、親分肌を見せて引っ張っていましたよ」(前同)

 ドラマでは個々が抱える背景や、絡み合う人間模様も見所になっていくが、実際の現場では抑制された過酷な環境だったからこそ、チーム一丸となれたようだ。