相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。

 8月31日、大相撲秋場所の番付が発表された。

 横綱を目指す霧島は、東大関。先場所、3度目の優勝を果たした安青錦は大関に復帰した。

 小結には、フレッシュな2人が昇進した。先場所、両横綱を破って殊勲賞を受賞した藤ノ川(21)と早くから期待されている伯乃富士(23)は、共に新三役となった。

 安青錦はまだ22歳だし、関脇・熱海富士もまだ23歳と若い。上位陣のメンバーがグッと若返って、期待感が高まる。

 そんな中、名古屋場所を途中休場、夏巡業も全休した横綱・豊昇龍が、7月末に右ヒザの手術を敢行したという話が伝わってきた。

「(退院後も)毎週治療に行っていて、(医師からは)治りが早いと言われているけど、秋場所は出られるか分からない」

 と本人が語っているように、いまだぶつかり稽古などもできない状態だ。

 6日目の伯乃富士戦で悪化させたみたいだけれど、その後は勝ったり負けたりの繰り返しで、ついに6敗。14日目から休場したのだが、オレは内心「このままでは、負け越すかもしれないな」と思っていた。

 昔、15日間皆勤して、7勝8敗で負け越した大きな体の某横綱がいた。ガチンコ、真っ向勝負なのはいいけれど、めっぽう弱い横綱で、オレのことを苦手にしていた。

 豊昇龍は、そういう横綱の二の舞になりたくなかったのだろう。7勝7敗1休は、内実7勝8敗の負け越しだ。もしかしたら、もう少し早めに休場したほうがよかったのかもしれない。