■ハッキングと尋問が多すぎ?

 X上では、《佐野は公安内部に仕掛けられた15個ものシンシー監視カメラを知りながら、なぜ撤去しなかったのか。もし最初から監視を把握していたなら、「監視されている公安」そのものを逆利用していた可能性がある》《最近のドラムの動きがおかしい説。ドラムが現地で探していた人物。野崎と思われつつも写真は死亡したはずのリュウ・ミンシュエン(※野崎の元部下)かな》など、多くの考察が寄せられている。 (※は編集部)

 考察が盛り上がっているが、公安の監視カメラの中に仕込まれていたシンシーの監視カメラのことや、ゴルバド共和国で野崎の写真を見せて聞き込みをしていたドラムについてなど、枝葉の部分が多い。そもそも、野崎が潜入捜査だったことは多くの人が予想していて、正直、驚きはなかった。

 また、なんでもかんでもハッキングとAI、そして毎度の尋問で話が進んでおり、正直、盛り上がりに欠ける。さまざまなどんでん返しが繰り広げられた第1シーズンに比べて、どうもこじんまりした印象なのだ。平均世帯視聴率は15.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と再び下げたが、ド派手なエンタメを期待していた視聴者が離れたのではないだろうか。

 では、この先も海外ロケだけが派手な地味展開が続くのか? そこは、今回の野崎(阿部)の「なにが正義かなにが悪かわからない世界」という言葉がヒントになりそうだ。これは第1シーズンから続く作品モチーフでもある。そうなると気になるのが、人の善悪を見抜くことができるジャミーン(本間さえ/12)の存在だ。

 今のところ、乃木の自宅に主治医・柚木薫(二階堂ふみ/31)と一緒に滞在していて、ドラム(富栄ドラム/34)を心配し、餅を食べながら泣くくらいで、登場シーンはあまりなかった。しかし、その彼女によって、人の善悪が問い直される、ある意味でヒューマンドラマ的な展開になっていくのかもしれない。

 TBSから公式の発表はされていないが、8月25日の『東スポWEB』で映画化の予定があるとの報道が出た。テレビ版は地味に展開させ、映画でド派手な展開とすれば、話題的にも盛り上がりそうだ。『VIVANT』にしては物足りない展開は、実はそんな計算があってのことかもしれない。ただ、それでは視聴率は下がるばかりだと思われるが……。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。