日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。9月6日のGIIセントウルSではママコチャに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年8月31日に寄稿されたものです)
一つ年上の先輩、ノリさん(横山典弘騎手)と一緒に、ワールド“オールド”スタージョッキーズを盛り上げられたら……という気持ちで挑んだ今年のワールド“オール”スタージョッキーズ2026。
僕自身は、前身のワールドスーパージョッキーシリーズを含めると、今年が30回目で、夏の札幌に舞台を移した2015年からは10回目の参戦になりますが、まさか、こんな展開になるとは思ってもいませんでした。
第1戦は、アスミルとのコンビで挑んだ僕が1着。続く第2戦は、キャントウェイトに騎乗したノリさんがV。
1日目を終えてトップに立ったのは、2戦連続2着で40ポイントを獲得したオーストラリアのザック・ロイド騎手。32ポイントのノリさんが2位で、31ポイントの僕が3位です。
気分良く迎えた翌8月23日の第3戦、ローズマイスターとのコンビで挑んだ札幌10Rは、岩田望来騎手のマーシヴィガラスにあと一歩及びませんでしたが、2着を確保して20ポイントを加算。
第3戦を終えた時点で、51ポイントの僕が暫定首位に立ち、4年ぶりの個人優勝も、手が届くところにあったのですが……。
最後の第4戦。1着しかないという状況で、見事大逆転劇をやってのけ、ベテランのすごさを、“これでもか”と見せつけてくれたのが、ノリさんでした。
ここぞ! というときの勝負勘。1着にこだわる執念。そして、磨き抜かれたテクニックと覚悟は、さすが、ノリさんです。