■思い入れしやすいちょうどよさ

 X上でも、《さすがにあまりにも薫子ひどくない??一応子どもつくる事を提案した理由を薫子に配慮しながら話してたのに…好きな理由も特に思いつかなくてただ結婚急いでたから義孝選んだってことに今気づいて冷めモードは義孝が可哀想では…》などと、多くの視聴者が薫子の言動に違和感を覚えている。

 今期GP帯で最低水準の低視聴率ドラマとは思えないほど、Xの声が熱を帯びている本作。その声のほとんどは、おそらく女性からのもの。ストーリー的には「こうだろうな」と思ったら、ほぼその通りになっているが、それぞれのパートナー同士の感情変化を丁寧に描いているため、視聴者は思い入れを強くしているのだろう。

 語りの声が多いのは、最新回(第8話)の世帯平均視聴率を8%台に乗せている、高視聴率ドラマ『Tシャツが乾くまで(T乾)』(TBS系)も同じだ。ただ、本作は『T乾』ほどの驚き展開はなく、そこまで重くない。仲と深川のリアルで視聴者に刺さるパートと、のんのラブコメパートのコントラストがはっきりしていて見やすい。感情が揺さぶられすぎず、ちょうどいいドラマ感なのだ。それが地味に支持されている理由だろう。

 ただ、そのぶん熱も低いので、視聴率も低めの数字に収まってしまう。次週は、夫婦関係の危機を迎えた麻紀(仲)と薫子(深川)に加え、遥(のん)も晃之助(朝井)との関係に暗雲が立ち込めてくる。3人にトラブルが降りかかり、シリアスな展開になりそうだが、数字の変化は見られるだろうか。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。