■賛否両論の先に待つ地獄とは
ネット上でも、《余力のあるうちに手厚い支援付きで見直すほうが、会社にも社員にもメリットがあると思う》《AI時代に必要な人材や仕事が変わるのは当然》《早期退職は有能な人材から離脱する悪手》《黒字だから安泰ではなく、個人の市場価値を上げる時代になった》《残された側は業務量が増え、不安ばかりが募る》といった切実な声が聞かれ、黒字リストラへの受け止め方もさまざまです。
「経営基盤が安定しているうちに組織の若返りを進め、新規事業へ舵を切れることは大きなメリットです。一方で、中核メンバーの退職によってスキルやノウハウの継承が滞ったり、残された社員に過度な負荷が集中したりして、かえって現場の生産性が低下することもあります。目先の人件費削減を優先した結果、現場力を損なうことにならないよう、制度設計には細心の注意が求められるでしょう」(人事コンサルタント)
「辞めても地獄、残っても地獄」──。黒字リストラがもたらす「副作用」は、終身雇用を前提としてきた従来の日本型雇用モデルが構造的な転換期を迎えていることの表れなのかもしれません。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。