相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。

 9月13日から始まる大相撲秋場所は、横綱・豊昇龍の休場が決定的。

 名古屋場所後に右膝の手術をしたものの、まだ四股も踏めない状況を考えると、「長期離脱」は避けられないだろう。

「次に出るときは(膝が)完璧な状態で出ないと、進退問題を問われてしまう」

 と、師匠の立浪親方が語っているように、師弟にとって険しい道が待ち受けている。

 秋場所は、大の里の「一人横綱」となるが、気になるのは、「次の横綱」は誰か? ということだ。

 大関・霧島は、「綱取り」が期待された先場所、12勝3敗と健闘。優勝決定戦に進んだものの、優勝は逃し、綱取りはかなわなかった。

 それでも、「優勝に準ずる成績」に当たるので、秋場所も引き続き、綱取りに挑戦ということになる。

 モンゴル出身の豊昇龍と霧島は、部屋は違うものの、若い頃から互いの部屋を行き来するなど、切磋琢磨してきた仲だ。年齢は霧島が3歳上。年下の豊昇龍が昨年横綱に昇りつめた頃、霧島はケガで低迷するなど、苦渋を舐めた。ライバルであり、友達の仲だからこそ、「豊昇龍の開けた穴は自分が埋める!」という気持ちが強いんじゃないかな?

 秋場所で優勝したなら、文句なしで横綱昇進になるだろうが、ちょっと残念なのが、相撲に「華」がないこと。強いときは強いけど、なんとなく力が入っていない相撲を見せることもあるのが、不安だ。それでも、現時点で、「横綱に一番近い男」ということに間違いない。