■赤飯に目玉焼きに――第1シーズンで散見していた不自然描写の数々
なぜ、ここまで視聴者に薫(二階堂)が疑われているのか――それは、前述のように、薫は第1シーズンの時点で不自然な描写が多く、それが現在まで回収されずにいるから。違和感のある描写は複数あるが、特に“赤飯”と“目玉焼き”の2つが、あまりにも不自然だったことが注目されていた。
まず、赤飯。薫は第1シーズンで赤飯を食べるシーンが2度あったのだが、どちらも「んんっ!?」と、顔をしかめる姿が強調して描かれていた。ノベライズ版では、さらにリアクションとして不自然なセリフが追加されてもいた。
次に、目玉焼き。薫は第7話で乃木家で一夜を明かした後、乃木に説明を受けながら黄身が4個の目玉焼きを作り、その場面を乃木がスマホで録画していたのだ。乃木がバルカに飛んで、決死のテント潜入任務をするつもりだったことから、“敵地で録画映像が切り札になるのでは”と見られていたが、乃木が録画していた理由は、いまだ明らかになっていない。
上記の明らかに伏線めいた2点に加えて、薫は第1シーズンで“偽装パスポートの「福田結奈」を「ユイナ・フクダ」と海外式に読む”、“序盤で乃木、野崎、協力者・ドラム、薫の4人でラクダに乗って砂漠越えする際に、薫だけラクダから落ちて長時間遭難した=空白の時間があった”、“バルカ共和国の日本大使館からの逃走経路が『ロシア国境』と聞いた時に意味ありげな表情を浮かべる”など、意味深な描写が多かったことから、
《薫先生怪しいのは確かだよなぁ。 最初はシンシーかなと思ったけど、それなら野崎からあんなに聞き出さないだろうし。 ということは、別班? もしくは第4の勢力?》
《個人的に薫が怪しくなってるんだよ…二重スパイばかりだし》
《薫先生、敵か味方かともかくとして、絶対裏の顔あるだろ。で、乃木が国防か愛を選ぶか悩む》
といった考察が、多く寄せられている。
薫が世話をしている少女・ジャミーンは“人間の善悪を直感的に見抜ける”とされている。ジャミーンが懐いているあたり、薫は根っからの悪人ではないと考えられるが……。
特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲや藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『VIVANT』第1シーズンでは考察を大いに楽しんだ。