■テレビのギャラが安くなるなか、重要度が増す劇場出演

 例年、『M-1』のファイナリストの大半が吉本のコンビということからも、賞レース上位に進出するのは吉本所属が圧倒的に有利だということがうかがえる。

「そして、吉本興業の場合、劇場に出るだけでもしっかりとした収入を得られます。有名なコンビであれば1ステージ数万円。1日に数ステージ立つこともあり、それだけで結構な額になるんです。一方でテレビのギャラはどんどん下がっていて、名が知られる中堅芸人が1泊2日のロケをこなして1万5000円なんていうことも。吉本の劇場に出ているほうが稼げることも普通にあるでしょう。

 そうした、自前の劇場を持つ吉本だから、芸人サイドが“今年は『M-1』を頑張りたいからテレビを減らして劇場の出番を多くしてください”というふうに、芸人の方が仕事の仕方を選べるということもありますよね。2019年の『M-1』チャンピオンのミルクボーイは、東京のテレビ番組で見る機会はあまりないですが、現在も大阪を拠点に活動し、劇場での漫才を中心に活躍していますよね。

 一方で、テレビにどんどん出ていきたい芸人は、テレビの仕事を優先的に入れてもらえる。ギャラが安くても、テレビで活躍したい、という人はいますからね。

 吉本移籍を画策していると報じられたコンビ『X』は、テレビではなく劇場での活動を希望しているのではないか――とも言われていますね」(前出のバラエティ番組ディレクター)

 闇営業騒動を経て吉本芸人の待遇は向上。撮影や編集を自分たちで行なった場合、YouTubeの収益は8割が芸人の取り分となると報じられている。また、人気芸人の単独イベントの配信チケットの売り上げも好調だ。

 お笑いコンビ・マユリカが5月1日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催したイベント「マユリカのうなげろりん!! presents 日本の大学いきましょか~冨島桜でイギギギギ!やる気はあるけどやめときます~」は配信チケットの販売数が5万4000枚を記録した。

「単独芸人による公演・イベントとして『FANY Online Ticket』史上最多の販売数を大きく更新することに。料金は2000円でしたから、単純計算で1億円以上の売上規模になります。もちろん、事務所などの取り分もありますが、それでも非常に大きな売り上げ規模になります。

 今の吉本は劇場、テレビ、YouTube、イベント、配信と、芸人たちの活躍の場がさまざま整備されていて、稼げる場が多くあると言えるのでしょう。

 そして、『M-1』など賞レースを目指す芸人・コンビが重視する、ネタを披露できる劇場を多数持つのは吉本だけだと。そこは完全に“吉本1強”で、劇場出演を重視するコンビの吉本入り話は、今後も増えてくるかもしれません」(前同)

 今後、人気コンビの吉本入りの正式発表があるのかもしれない――。