■大手プロダクションがトラブル後すぐに行なう”2つの対応”

 さらに、板野がSNSユーザーからの指摘に“ホテルに許可取りをした”とXで主張した件を例に挙げて、前出の大手芸能プロ幹部は「Xユーザーの指摘に本人が反応してしまったからさらに燃えてしまったわけですが……ただ、もし大手プロの所属タレントが同じような行動をとってしまった場合、事務所はこう動きます」と説明する。

「タレントを管理する事務所として、まず何よりも最初にトラブルの相手先に連絡して、すぐに先方へ謝罪します。今回の場合は、『ザ・リッツ・カールトン日光』ですね。そしてタレント個人ではなく、会社間で話をまとめたうえで、間髪入れずに“弊社のタレントがお騒がせしていますが、事務所から先方に謝罪をしまして、すでに話はついております”という趣旨のコメントを、プロダクションの公式声明として発表します。

 そうすれば、トラブルの相手先にメディアから問い合わせがいっても、“すでに話し合いがついております”というコメントが出ることになります。タレント側とトラブルの相手先のコメントに食い違いが発生して、火に油を注ぐ様な展開になることが避けられ、そこで炎上は鎮火の方向に向かうと考えられます。今回の板野さんの件では、その初動対応ができていなかった結果、余計に炎上してしまっている感じですよね」(前同)

 騒動が起きた際、タレント個人の謝罪コメントを求める声も少なくはないが――タレントを管理するプロダクションが“誰に迷惑をかけたのか”を明確にしたうえで、その相手に対してしっかりと謝罪したこと、そのうえでトラブルの原因を説明し、さらに今後の対応まで言及した“謝罪コメント”を出すことで、「世間の一定の納得は得られる」(同)という。

“先方と早急な話し合い、両者間で問題を決着させること”と“世間に事態が収拾されたことを知らせるコメント”――炎上騒動を収めるには、これら2つの作業を同時進行で進める必要があるようだ。しかし、「個人事務所の場合、それはなかなか難しいんですよね」(同)という。

「想定外のトラブルなどの際、多くの修羅場を乗り越えてきた経験豊富なスタッフが迅速に対応できるというのが大手プロダクションの強みなんです。一方で、独立して個人や少人数で活動しているタレントの場合、トラブル対応が難しいんですよね。

 近年、仕事の自由度や金銭面などから長年所属したプロダクションを離れ、個人で活動する芸能人が増えていますが、トラブルや緊急事態の対応が難しいため、有名タレントが“事務所に戻りたい”と漏らす声も聞こえてきます」(同)

 また、個人タレントがこういったトラブルに巻き込まれた際、弁護士に事態の収束を依頼することがあることに触れて、こう続ける。

「弁護士さんは、あくまでも“法的に問題があるか”“法的にはどう動けるか”という観点で対応しますからね。しかし、タレント業において重要になってくるのは、トラブル後もタレントイメージを守れるかどうか、なんです。それは、弁護士にはなかなかできないんですよね。所属タレントのイメージを守る、というのも芸能プロの重要な仕事の1つですから、特に大手はそこをしっかりとやりますよね」(同)

「炎上の初動で、すぐにホテル側に謝罪し、話をまとめていればそこで終わっていた」(同)と言われる今回の騒動。圧倒的な情報発信力を持つSNSの重要度が増し、そのパワーをタレント側も活用する時代だからこそ、緊急時の対応力もタレントには必要になってくるようだ。