■どこに“地雷源”があるのか分からない
酒を飲みながら無礼講といきたいのに、なぜガードを上げた状態のまま緊張感を持って闘わなくてはいけないのか? これがオヤジ世代の本音だろう。
田中さん(介護職・61)も「ゆとり・さとり世代は理解不能」と吐き捨てる。
「若い女性部下が仕事で悩んでいる様子だったから、心配になって“軽く飲みにでも行く?”って声をかけたんです。そしたら“それって残業代とか出るんですか?”だって(苦笑)」
意外にも、シリコンバレーにある大手IT企業は会社の飲み会を就業時間内にやったりする。一見すると非常識に思える若手社員の発言は、“グローバルスタンダードに則った飲み会観”と言えるのかも!?
一方、「セクハラの定義が分からなくなった」と頭を抱えるのは、コンテンツ系企業に転職したばかりの鈴木さん(49)だ。
「親睦会をやることになり、自己紹介の流れで女性社員に“結婚されてないんですか”とポロッと言ったんです。すると翌日、総務部経由で“昨日の飲み会での発言がハラスメントにあたり、本人も、いたく傷ついている”と厳重注意を受けることになりました」
その場では本人も笑っていて、一同は最後まで和やかに飲んだということ。どこに“地雷源”があるのか、分からないのが恐ろしい。
最後に、前出の原田曜平氏が、令和世代と円滑に飲むポイントを伝授してくれた。
「とにかく、お酒の席では威張らないほうがいい。むしろ、情けない姿を出して、“かわいい上司”を演出したほうがいいと思います」
“酒の席だから腹を割って話そう”などという発想は捨てたほうがよさそうだ。
原田曜平(はらだ・ようへい)
芝浦工業大学デザイン工学部教授。信州大学・特任教授。BSテレビ東京番組審議会委員。1977年、東京生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーに就任し、世界中で若者研究及び若者向けのマーケティングや商品開発を行った。13年「さとり世代」、14年「マイルドヤンキー」がユーキャン新語・流行語大賞にノミネート。「Z世代」を日本メディアに紹介し、流行語大賞トップ10に選出。著作に『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』 (光文社)、『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎)など。