「いつまで同じことばかり聞いてくるんだよ!」
「だから、それじゃ解決しないから電話してるんだろ!」
などと、さすがに声に出したりはしないものの、企業の電話問い合わせ窓口で、AI応答オペレーターや自動音声との堂々巡りに、ブチ切れ寸前となった経験を持つ人は少なくないだろう。
近年、コストカットのあおりを受けて、人間のオペレーターを置く代わりにAIによる音声会話のシステムを導入する企業が増えているが、ユーザーからの評価はイマイチ。
機械の無機質な声で「ご用件は……」「もう一度お話しください」などと何度も聞き返された挙げ句、見当外れの答えを自信満々に返され、怒りのボルテージがマックスまで達してしまったという向きは多い。
≪AI応答のコールセンターに初めて電話かけたんだけど、これやばすぎるな。人間につながった時の第一声が冗談抜きに「◯すぞ」になってしまう≫
これはXにポストされたAI応答オペレーターに対する不満の声。少々、不穏な発言だが、
≪複雑なやつはAIが解決できないくせに、なかなか人間に連絡を取らせない≫
≪そういうのやっている企業は企業イメージを悪化させて顧客の数を減らしたいのかな?と思ってしまいます≫
などと、賛同の意見が多く寄せられていた。
こうしたAI応答オペレーターの「感情逆なで事案」について、『月刊コールセンタージャパン』編集委員の矢島竜児氏は「最大の原因は深刻な人手不足」と背景を解説する。
「もともとコールセンターは、人件費の比率がとても高い組織。かつては、主力である非正規社員について、他の接客業や事務職に比べると時給面で優位性がありました。しかし現在は全体的な賃金高騰でその差が埋まってしまい、十分な人材が集まらなくなっています」(矢島氏=以下同)
コールセンターは業務の繁閑差が激しいため、全稼働時間でピークに合わせて正社員を配置することが経営上、不可能に近い。契約社員やパートタイマーに頼らざるを得ない構造的ジレンマを抱えているのだ。
「消費者にとっても企業にとっても最悪なのは、“まったく電話がつながらないコールセンター”が増えること。ですから、AI応答オペレーターが導入検討され、実際に動き出している段階です。とにかく電話がつながらないことには話にもなりませんから」