■腸活の代名詞。ヨーグルトも…

 サービスに使われる検査キットは、米国のヘルステック企業Viome社が開発、提携したものだそうだが、同社CEOのナヴィーン・ジェイン氏は、いわゆる“スーパーフード”も「すべての人にとって健康的な食品は存在しない」と言う。

「たとえばブロッコリー。当社の調べによると、約55%の人間にとってはむしろ“毒”となってしまうというデータもあるのです」

 ブロッコリーといえば、今年4月に“全国的に流通し、消費量が多い、または今後多くなることが見込まれる野菜”として『指定野菜』に追加されるほど日本国内では健康の観点で重要視されている野菜だ。これが半数以上の人にとって“毒”になるとは、どういうことなのか──。

「ブロッコリーに含まれるグルコシノレートは、硫黄を含む成分なんです。すでに硫化物を活発に作っている腸内環境でこの成分を多く摂取すると、腸内のガスが増え、結果的にお腹の張りや不快感につながることがあります」(管理栄養士)

 その他にも、“腸活にピッタリ”という食品が、反対に体に不調をきたす場合があるという。

「たとえばホウレンソウに含まれるシュウ酸は、カルシウムと結合しやすい食材なんです。そのため、腸内環境によっては体に吸収されにくくなることがあります。また、ヨーグルトや納豆などの発酵食品も、発酵の過程でアレルギー反応に関与するヒスタミンを産生することがあります。腸内でそれを分解する働きが弱い場合、体内のヒスタミンが過剰となり、皮膚のかゆみや蕁麻疹などの不調につながることがあります」(前出の管理栄養士)

 そもそも、腸内に棲む細菌の種類や割合、活動状況は人によって大きく異なる。同じ食事でも、ある人には好影響に働く食品が、別の人には不調の原因となる可能性があるというのだ。

 今回始動するサービス『mRNA HEALTH TRACKER』は、検査キットの初回利用の希望小売価格が7万9200円(税込)。ちょっと値段は張るが、採便サンプルと問診票を送った後に解析、専門アドバイザーとのオンライン面談で生活習慣のアドバイスも受けられ、結果によっては、サプリメントや宅配食を注文することもできるという。

 新規事業開発プロジェクト担当の田中莉夏子氏が、サービスについて語った。

「特に健康関心が高い方へ、4~6か月に一度の“腸の定点観測”として、自分の腸と向き合う場としてほしい。腸内環境の改善が反映するのは3か月と言われているので、ぜひ、ご自身に最適な“食”を選ぶきっかけ、腸活に生かしていただけたらと思います」

 一般論として“腸に良い”と言われる食べ物が自分にあっているかはわからない。これからは、自分の腸が求めている食品を摂取する──。これが、次世代の「腸活」と言えるのだろう。