4月からスタートした各局のドラマも2話、3話と放送され、大きな流れが見えてきた。
前評判と違って苦戦しているドラマもあれば、予想外に評価の高いドラマもある。今回は大物の出演が話題となった『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)と『ラストマン-全盲の捜査官-』2本の評価を見てみよう。
『教場0』は警察学校を舞台とした、ミステリー小説『教場』シリーズが原作。冷徹で最恐の教官・風間公親(木村拓哉/50)が警察学校に赴任する以前、新人刑事の教育に“刑事指導官”として当たっていた時代が描かれ、シリーズの原点で始まりとも言える物語となる。
一方の『ラストマン』は、全盲のFBI特別捜査官・皆実広見(福山雅治/54)と、犯人逮捕のためには手段を選ばない孤高の刑事・護道心太朗(大泉洋/50)が、凸凹バディを組んで難事件に挑んでいく姿を描く。脚本は同枠放送の『マイファミリー』などを手掛けた、黒岩勉氏による完全オリジナルだ。
平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区/世帯/以下同)に関しては、『教場』の第1回が12.1%で、『ラストマン』が14.7%。
ラストマンの第2回が13.1%と大きく落ちなかったのに対し、『教場0』は第2回が10.7%、第3回が9.8%、第4回が9.6%と急降下してしまった。赤楚衛二(29)に新垣結衣(34)と、人気俳優をそろえたキャスティングだったが、大ヒットとはいっていないようだ。
「出演者は豪華だし好演しているんですが、いかんせんミステリーのタネ明かし部分が、あまりにお粗末。そこで離れてしまったのかもしれません。対するラストマンは演者の豪華さだけでなく、脚本や演出は丁寧。加えてトリック解明も全盲の捜査官らしく、匂いなどの感覚を駆使していて新鮮みがあります。トータルバランスがいいのが強みですね」(ドラマライター・板橋六郎)